巨木への敬意から始まった、生命をめぐる挑戦

1. 樹木との出会いと「ツリークライミング®ジャパン」2000年の創立、株式会社ツリークライミングワールド創立

プロジェクトの原点は、ジョン・ギャスライトが日本をはじめ世界中で展開してきたツリークライミング活動にあります。障害の有無や年齢を超えて、誰もが木と触れ合い、自然の偉大さを体感できるプログラムを通じて、多くの人々が「木を愛する心」を育んできました。その過程でジョンは、シエラネバダ山脈の一部にわずかに残された、地球上で最も気高さを持つジャイアントセコイアの厳しい現状と向き合うことになります。

2. 危機に瀕する巨木を救うために――プロジェクトの立ち上げ

地球環境の変化に伴い、限られた生育地を襲う壊滅的な山火事や病虫害によって、数千年の時を生きてきたジャイアントセコイアの多くが姿を消し始めました。この現状を食い止めるため、ジョンはまずは自費で個人所有可能なジャイアントセコイアの森林地帯の土地を試験エリアとして購入し、試験的に研究を始めました。
中部大学、樹護士、樹木研究者、ツリークライマー、アーボリスト、環境保護団体、また数々のギアメーカーの協力を得て「ジャイアントセコイア・プリザベーション・プロジェクト」を発足。木を遠くから見守るだけでなく、実際に樹冠(キャノピー)へ登り、科学的な調査と直接的な保全活動を行う独自のスタイルを確立しました。

3. シチズンサイエンティストとともに歩む、未来への継承

当プロジェクトでは、樹冠部での種子(コーン)の採取や樹木状態のモニタリング、火災から木を守るための環境整備を推進しています。そしてこの活動は、プロの研究者だけでなく、環境に関心を持つ一般市民や「シチズンサイエンティスト(市民科学者)」たちとの協同によって支えられています。市民の手で科学的データを集め、採取した種子から苗木を育てる取り組みを通じて、過去から受け継いだ生命のバトンを、次の1000年へと確実に届けるための輪を世界へ広げています。

プロジェクトリーダー Dr. John Gathright